今月の報告

令和2年 8月に思う事
【バンクシーの言葉】

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8月に入り遅れた夏休みを迎えても、梅雨明けがして蝉の大合唱を聞いても、夏の訪れに気持ちの切り替えが出来ないまま日々の忙しさと不安に苛まれながら暮らしている気がしています。

3月以降、コロナ感染症の対策に追われながら、臨時議会を入れると毎月のように開催された議会審議に向き合ってきました。

奈良市には、累計すると、30億円を優に超える地方創生臨時交付金が下りてきましたが、これで市民の皆様の暮らしや安心が担保されたのかと言われれば、否と即座に聞こえてくる気がしています。

観光事業で成り立つ奈良市は他市と比べても影響は大きいと思いますが、この静かな奈良市の現在を見た時、これが本来の私達の街であったと聞く声も少なからずあり、災いを転じて力にする事も政治の力ではないでしょうか。

行政が市民の暮らしを守るために先ず行わなければならない事は生命・財産を守るために在る事は周知の事実ですが、京都や大阪に働きに行き家族の元へ帰る暮らしが一変し、働き方も考え方も否が応でも変えていかなければならない今の社会は、適応した者だけが生き残れる社会になるのではないか?と危惧しています。

それを不安そうに見つめる子ども達の視線・社会に出ていく準備を始めた若者たち、新しい価値観と生活スタイルに順応しながらこの半年を過ごしても、まだ去らないリスクに、弱い方々を守れる政治は出来ているのか?

自分自身に問いかけをしています。

日曜日の朝のテレビでたまたま見た「美の巨人」という番組に目を奪われました。バンクシーがコロナ感染症で奮闘するイギリスの病院に自作の絵画を寄付し、公開が終わった後にその売却益を医療事業に寄付をし、役立てて欲しいというものでした。問題はその絵画が訴えるメッセージです。

男の子の手に握られた看護婦さんのお人形は手足に色がつき、バスケットの中には手足の折れた人形が見えています。バンクシーは医療界における人種の問題や、疲弊した中で奮闘される医療従事者の問題を一枚の絵だけで訴えかけています。

我々の暮らす社会と何が違うのか?何も変わらない事実があります。そのことを胸に置きながら暮らすのと暮らさないのでは大きく違います。今月の最後の言葉にバンクシーの言葉を皆様に送ります。

自分の作品で
みんなの心がちょっとずつ変わっていけば
嬉しいと思っています。
俺のやりたいことは
それ以上でも
それ以下でもない

短い夏になりそうですがお体に留意して元気にお過ごしください。

奈良市議会
鍵田美智子

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