いきなり30℃を超える真夏日がやってきて、体調を整えるのがやっとの日々です。 そんな中、熊本では先月17日に起きた大地震の影響で、家屋の整理や慣れない避難生活等多くの困難に立ち向かわれている人々を思い、色々な想いに揺れてしまいます。5月の奈良市内は、連日 駅から押し出せられるかのような観光客の人波で、どこもかしこも大にぎわいです。金太郎飴のような観光でなく、奈良の良さを満喫して帰って行っていただけるようにと心から願っています。
奈良が大好きだった忠兵衛は、奈良の魅力を良く話をしていましたっけ…
「奈良の魅力は 朝にあります。 どうぞ、早朝の奈良を少し早起きするか、早朝にお越しください」と…
何も起こらない当たり前の生活が続くことの有り難さを、私自身が身を持って意識するようになってから、5年の時間が過ぎました。東北の地で未だに仮住まいを余儀なくされている人がいるかと思えば、新たな災害で眠れない時間を過ごす熊本の方々の日々に、 改めて自分自身が、いつその立場になってもおかしくない日がそこまで来ているのだと思っています。
3年前の夏、議会に上がって行ったとき、 奈良市の危機管理も行政管理も何も知らなかった私が、自衛隊出身の危機管理課課長の口から出た言葉に面喰ったのは、 「災害が発生しても奈良市は、市民を助けにいけませんよ。自分の命は自分で守って下さい」と言われた言葉です。 今ならその言葉もよくわかり、言わんとする所が何なのか?理解できるのですが、当時の私は本当に何も分かっていませんでした。
行政の役割は、市民の生命・財産を守る事にも責任はあるのですが、36万人の生命財産となると行政職員総動員してもやはり出来るものではありません。その為の仕組み作りに努力はしているのですが、現実的には予算を配布し、少ない金額ではありますが、自主防災の構築を各自治組織に求めているのが現実です。また、その地域の構成人員や年齢、地域の事情に寄って防災に対する考え方も様々で、行政が一方的に押しつけても自主防災組織が機能していくものではありません。南海トラフ地震が30年の内に70%の確率で発生すると示唆されている現実があります。
現在、新火葬場の移転候補地の事で候補地としての安全性が問われる論議を議会ではしていますが、そんな中で奈良市の市民全体が足元にあるリスク・災害に対する備えを基にどれだけの方が準備をしていただけているのかと心配しています。奈良市には、奈良盆地東園断層が大きく南北に走り、他にも生駒断層・富雄断層と活断層や推定活断層があり、ひとたび大地が揺れるとその被害は予想が出来ません。大地が揺れる事により、土砂災害警戒区域が近くにある方は、交通の遮断や、建物被害に遭われるかもしれません。必要な情報は、自分で調べられる世の中になっていますので、一度自分の住む場所のリスクを調べ、必要な準備、また家族との意識の共有と今出来る事をして頂けると嬉しく思います。
3月の予算審査特別委員会では、候補地内に保安林があり、土石流警戒区域を掲載していなかったりと数々の不備が明らかになりました。行政の都合で必要な情報の操作をするような事はあってはならず、行政が調査し知り得た情報は、全て市民の為にあるべきと考えていますので、市民の皆様は必要な情報をまず自分で調べる姿勢をお持ちいただくようにしていただけたらと思います。
最後に 長いお休みを家族と過ごされる方々…
連休でも家族の為にしっかりと仕事をされている方々…
家族と共に暮らせる幸せを感じて、今を生きていけたらと感じます。
奈良市議会 鍵田美智子