今月の報告

平成28年 4月に思う事
【3月定例会】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

 自転車で通う佐保川の小道の、桜並木も 満開の見ごろとなる季節を迎えています。
春本番となり、新しい生活 新しい環境に大きく歩みだされようとされている方も多くいるかと存じます。皆様の新しい年度の始まりが、力強く幕開けされる事を祈念しています。
 
 さて、奈良市議会では およそ1カ月の時間を頂き平成28年度予算編成案を慎重に審議してまいりました。私自身にとっては大変重く、緊張が続く日々でした。毎年、この3月は予算審査にあたり、責任の大きさに胸がつぶれるほどの重圧を感じて過ごしました。今議会は報道にもありましたように、修正案の提出や会期を延長しての審議のやり直しなどで、例年以上に厳しい議会運営になりましたが、その分大変勉強になる事も多くありました。
 
 思えば、昨年末の新斎苑建設計画に対する意見募集が、おもむろに奈良市から案内され、そこから目まぐるしく、動きが活発になり 最終的には新斎苑建設計画に対する地元住民の請願採択、予算審査特別委員会、新斎苑特別集中審議、定例会と一気に動いてまいりました。結果的に提案された予算案に対し、不要・不急の事業を除く修正案を2会派で提出し、可決されましたが、市長はこれを不服とし再議に付されました。
 
 市長は、修正案の受け入れを了承しようとされなかったわけですが、この修正案が可決された現在でも横井町山林からの計画変更をお考えではありません。むしろ、地元合意を取れれば可能であるとの驚くような曲解発言をされています。ならば、委員会や定例会での審議・可決が意味をなさなくなります。

我々議員は、終始一貫、この候補地の安全性と利便性、そして費用的な問題をずっと審議してきました。
 
・この候補地で看過できない点
 

  1. 候補地のアクセス道となる橋梁の設置場所が、土砂災害警戒区域の地滑り区域の指定地域である事
  2. 橋梁の安全性と必要性と費用について問題が大きい事
  3. 直近に活断層である奈良盆地東縁断層帯がある事

 
・新たな問題点
 

  1. 候補地内に保安林を有する事が判明。
  2. 候補地直近に土石流警戒区域があるにも関わらず、計画案に表示をしなかった。

率直にお聞きしたいものです。これだけの問題がある場所で、
あくまでも新斎苑建設計画を推し進めようとする市長……
また修正案に対し、反対を表明された議員……

なぜ、この場所を適地として選択する事ができるのか……

 
 7年間、候補地で迷走をし続けたあげく、一度撤回した場所で頑なに新斎苑を建設しようとされる現市長の場当たり的な活動に、政治家としての誠を感じることが出来ないのは私だけとは思えません。人の上に立つ人間は、人並み以上に高潔な人間性 冷静かつ合理的な判断力 柔軟な実行力が求められます。
 
 2期目の最終年度にあたり、功を焦っておられるかのような性急さを感じますが、新斎苑建設計画はこれまでの100年の反省に基づき、住民合意のもと必要な施設としての理解を全市民的に求め、建設すべきものと考えます。時間を無駄に浪費したのは、他でもない現市長です。
 
そのことのツケを市民に求め、性急に事を運ぼうとする今の手法は明らかに間違っています。合併特例債の期限もあり、残された時間も限られてきていますが、市民の顔を思い浮かべ、議会の議決、候補地住民の思いを第1に候補地を考えなおすべきと思います。請願が可決された事により、色々な意味で新たなステージへ動いて行きます。今回の3月定例会の議決を元にこれからも責任ある行動を取ります。さらに奈良市の問題解決の為、議員として、責任ある行動をしていきます。
 
この1カ月、静かに議会の姿勢を見守り頂いた市民の皆様に心からの御礼を申しあげ、平成28年度の スタートを切りたいと思います。

奈良市議会 鍵田美智子

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る