新斎苑建設計画に対しては、報道や奈良市の広報でも度々話題に載せていますが、現状の火葬場の傷み具合は、市民の皆様に御理解をいただく機会が少ないかもしれません。
私もそんな一人だったので、現場を見せていただきに行きました。
私も大切な人をここから見送りましたので、私に取りましても特別な場所です。
奈良市の現在の火葬場は、唯一の市営斎場で100年が経過しようとしています。
8炉ある火葬炉は、フル稼動で1日に8体を受け入れる事が出来ます。
お正月の三が日を除くと一年365日をフル稼動をさせている炉は悲鳴を上げ、傷み具合も激しく、加えて予算がついていないことで、補修も一年に1炉ずつしか行えていません。
突発的な事が起きれば、その予算さえ他に回され後回しになる事もあるのが現状です。
市民の皆様は、火葬のスイッチが入れば、全て燃えていくと誤解をされているかもしれませんが、裏に回れば職員の方々が、パネル盤を見ながら火の加減をし、丁寧にお一人お一人を火葬して下さっています。
棺の中に入れられたガラス製品や、避けて欲しい品物を添えれば、後から丁寧に除去する作業が待っています。
棺を乗せる台や、風を入れるレンガ台など工夫もしながら予算をやり繰りし、現場の方々も動いておられました。
また、老朽化が激しいという事は、全ての場所に言える事でした。
正規職員が3人、後の方は嘱託職員ですが、全員で9人を必要とする方々の職場としては、苛酷な場所とも言えました。
炉の管理をしながら、薄い壁を隔てた場所で、食事も休憩もしながら神経を研ぎ澄ませて働いておられました。
ボタン一つで済ませる仕事ではないと説明をしましたが、火の管理、体液に接触する恐れのある感染問題、遺族に対する現場の対応等、様々な仕事を負われています。
その重い、尊い仕事に対し、奈良市がいかに報う事なく、苛酷な現実を押し付けているのか見せていただく機会となりました。
働かれている方々は、老朽化した施設で遺族の方々に寄り添い、現世から最期に旅立たれる場所として真摯に職務を全うされています。
30代〜40代の若い方々が多かった事にも驚きました。
職員の方々は、匂いや汚れとも日々闘われますが、浴槽のダクトは外れており、いつ使っいたのか、分からない有様。
そんな自分達の事を置いて言われていたのが、障碍者トイレの事でした。
年配の方、障碍者の方々が来られた時、骨上げまで待たれた時に利用出来るトイレがありません。
男子トイレも座って使用出来ない為、女子トイレを利用するように案内がされていました。
問題は、他にも沢山、お聞きしましたが、仲川市長も現場に足を運んでおられる中、現状放置をされていると理解しますので、別の場所で話しをしていきたいと考えています。